そして先輩は私の顎をクイっと片手で持ち上げる。
「俺さ」
先輩との距離の近さにゴクッと息を飲む。
「欲しいモノは絶対手に入れたい主義なんだよね」
「は、はい……?」
「だから、このままキスしてもいい?」
「……え!?」
先輩の考え方があまりにもぶっ飛びすぎて頭がついていかない。
それと同時にさっき初花の言葉を思い出す。
『神楽先輩って、美人キラーらしいよ。この学校の可愛い女の子はみんな神楽先輩に手出されてるんだって』
美人キラー……な、はずなのになんで私?
「あ、あの……っ、わ、私は美人じゃないですよっ」
「……なんだ、俺のウワサでも聞いたの?」
「あ……いや……っ」
「でも大丈夫。ちゃんと優しくするからさ」
そ、そういう問題じゃないよ!
絶対この先輩おかしい。
黒澤くんをはるかに超えるおかしい人だ。
「優しさには自信あるよ」
「わ、私はき、キスとかは、す、好きな人とじゃないと……イヤです」
「ワガママ言わないの」
「ひゃあ……っ」
ついに私は先輩に両手首を掴まれ、机の上に押し倒される。



