さすがにこんな朝から、神楽先輩もいないよね。


――ガチャ。


慎重に図書室の扉を開けて、中を覗く。


中は静かで誰もいないようだった。


「……よかったぁ」


誰もいないことを確認した私は、図書室に入って昨日自分が座ってた席の机の中を確認する。


「あった」


スマホがあるのを確認すると、画面をつけてみる。


……充電の残り3%と表示される。


昨日、あんまり使ってないのになぁ。
最近充電の減りもはやくなってきたし、そろそろ買い換えないといけないかな……。


なんて、考えながら図書室を出ようとしたとき。


――ガチャ。


図書室の扉が開く音がして、顔を上げる。


するとそこには、神楽先輩がいた。


神楽先輩を見た瞬間、私の動きが固まる。


「……っか、神楽先輩」


「おはよ、羽音ちゃん」


「お……おはようございます……」


とりあえず精一杯の笑顔を作って、失礼しますと神楽先輩の横を通って立ち去ろうとしたら「待って」と呼び止められた。