「じゃ、下で待ってるね」
もう少し寝起きの羽音を見ていたいけど、でも準備する時間なくなっちゃうしね。
俺は羽音の部屋を出て、1階へ下りた。
1階に下りると、羽音のお母さんがリビングから出てきた。
「羽音、起きたかしら?」
「はい、部屋を追い出されちゃいました」
あはは、と笑いながら冗談まじりに話す。
「あらあら、ごめんなさいね。でも、羽音はほんとに昔からずっと黒澤くんが大好きで……」
「そうだと、いいんですけどね」
お母さんが言うぐらいだからきっと、中1のときの羽音は本当にただ純粋に俺を想ってくれてたんだと思う。
「黒澤くんが転校したぐらいから、本当に元気がなくて……かなり心配してたんだけど、でも高校に入学してまた笑顔が増えたような気がするの」
きっと黒澤くんのおかげね、と微笑む羽音のお母さん。
「ほんとですか……!」
本当にそうだとしたら嬉しい。
羽音はもしかしたら俺のことまだ心のどこかでは……なんて、勝手に妄想して喜ぶ俺ってバカかな。



