【完】溺愛プリンスに捕まってしまいました。




――放課後。



「じゃあ、また月曜日ね! 羽音」


「初花またね」


初花に手を振りながら今日はもう金曜日だということに気がつく。


一週間、あっという間だなぁ。


「羽音」


ボーッと考えごとをしていると、黒澤くんに声をかけられる。


「今日俺、掃除当番だから待っててくれる? 待たせるの悪いけど、でも羽音を1人で帰らせるのは心配だから」


「うん、わかった。じゃあ下駄箱で待ってるね」


「なるべく早く終わらせて帰るから」


「うん!」


カバンの中に教科書を入れて、教室を出る。


そして下駄箱で靴に履き替えて、外にある桜の木を見あげた。


もうすっかり桜も散って新緑の季節だなあ……。
なんだか少し寂しく感じる。


「羽音ちゃん」


名前を呼ばれて振り返るとそこには神楽先輩がいた。


「……か、神楽先輩っ」


「嬉しいな、名前覚えてくれて」


ニコッと笑う神楽先輩の笑顔は眩しくて、緊張して思わず目をそらしてしまう。