消えたい俺と犬

「……僕、君に生きてほしい。僕の分まで、生きてほしいんだ。僕、短い期間だったけど、幸せだったよ。辛いときは、ベーコンが側にいるから……君の支えになるはずだよ」

パスタは、一呼吸置いて口を開いた。パスタの目から、涙が零れ落ちる。

「昴(すばる)くん。大好きだよ。また会えると良いな」



俺は、飛び起きるように目を覚ます。

「……」

夢……だよな?パスタも夢の中って言ってたし。パスタは、俺を心配して会いに来てくれたのかな?

不思議と、そう思うんだ。

「ふっ……ありがと。俺、ベーコンとパスタが居なかったら……今、この世には居なかったかもしれない。ありがとう……俺に、生きる希望をくれて」

俺はそう呟いて、俺の隣で、すやすやと眠っているベーコンを撫でた。