「ははははは!……あの子が?!…人間の世界に?!!!…信じられない!!!」


 取り乱したカシャは、狂気に満ちた瞳を大地へと向けた。



「…お前のせいよ、出来損ないのドラゴンが!!」



 黒蛇カシャは執拗に、こちらへ何度も闇の炎を吐き出してくる。




 …………熱い!!




「………お前があの子を、人間などに夢中にさせたせいで……!!」





「…それはシキミの自由だ」




 カシャは七色の、強烈な炎を吐いた。




「城を壊して世界の入り口を塞いだ張本人が、何言ってやがる!」




 大地はその業火を、間一髪でかわした。





「…………あの子を返せ!!」






「…お前が人間の世界に行って、自分でシキミを連れ戻せ!」






「……何?!」





「それが出来ないなら、塞がれた世界を元に戻せ!」





 世界を繋ぐ空間はもう、完全に塞がれていた。





「癪に障る!!」




 カシャは狂気の眼差しをこちらに向け、最後の業火を一気に吐き出した。
 



「もういい!!!」




 大地と私は、どす黒い炎の渦に包まれた。





「…私の子供は、あの子だけでは無いのだから…!!!」





 大地の両翼はついにちぎれ、






「…………!!!」






 私達は、どこかへと急降下した。