自然とため息が出る。

「はぁ……、何? どした?」

「ほら!」

顔を向けると、なにやら嬉しそうに人差し指を立てながらこっちを見つめる千鶴の笑顔があった。

千鶴の指す方向を見てみると、『1−C』のクラスを指していた。

「名前っ♪ 名前っ♪ ほらほら、ここ!」

またピョコピョコと跳ねながら何度も指で一箇所をつついている。

人が密集している中で、こう騒いでいると、当然の様に周りは迷惑そうな視線を送っていた。

それに気付かないフリをしつつ、指の先に目をやる。

『堀田千鶴』

『松川夜流』

下の方に2人の名前が並んでいた。