「また明日」を言わない君と

朱莉の声で我に返る

寝ぼけた頭だからか、意識が飛んでたらしい…

遊び、行きたい!
でも…

「ごめん、朱莉。あたし、これから…」

「あーそっか!そうだったね。行くとこあるよね。じゃあ今度だね」

「うん…ありがと朱莉。また明日」

「また明日ね、音」



あたしには、行かないと行けないところがある


あたしの、たったひとりの弟のところへ
学校から自転車で少しのところに、大学病院がある

あたしの目的はそこだ

慣れた道を自転車で走る

病院の正面入口から、小児外科のエリアヘ向かう

顔見知りの看護師さんが声をかけてくれるのも、当たり前の日常になった

「碧ー、来たよー」

ガラリとドアを開け、ビャッとカーテンを勢いよく開ける…が

「いないじゃん」

おかしいなぁ…
あたしの弟は、確かにここに入院してるハズなんだけど


「ああ、音ちゃん」

後ろから、声をかけられる