2216年×月××日
萊気「伊万里さん……」
ベランダで夜空を見上げている伊万里に後ろから話しかける
伊万里「ん?」
伊万里は萊気の方へと振り返り
「どうしたの?ひょっとして眠れない?」
優しい笑みを浮かべて萊気にそう問いかけ
萊気「いや…その…伊万里さんのこともっと知っておこうと思って」
伊万里「!!」
まさか自分のことを知りたいと言ってくれるとは思っていなかったため一瞬驚いた表情を見せれば
「良いよ…何が知りたい?」
萊気「なら…あの時伊万里さんは…」
そこまで言うと伊万里は萊気の元へと近づき萊気の唇に自分の人差し指を当て
伊万里「伊万里”さん“じゃなく伊万里…!」
萊気「あ!…えっとじゃあ伊万里はあの時何て言おうとしてたんだ?」
伊万里 伊万里は萊気の唇から指を離し萊気のその言葉に首を傾げて
「あの時??」
萊気「あぁ…伊万里が親に恨みの感情を向けた理由…言おうとしてた時にでてきたお兄さん…言わずじまいに口閉じちゃっただろ?」
伊万里「あ〜あれね……」
きまり悪そうに頬を掻き萊気から顔を逸らせば
「実は…俺の兄貴さ…吸血鬼なんだよね」
萊気「え?」
その真実に萊気は驚いた顔を伊万里に見せれば伊万里は苦笑し
伊万里「兄貴も災難だよねこんなの父さんと母さんに人間としての自分を殺されたようなものだよ……」
悲しく辛そうな表情で話す
萊気は伊万里にこんな表情をさせるくらいなら聞かなければ良かったかなと少し罪悪感で胸がいっぱいになるがそれを察したのか伊万里はニコッと笑い
「萊気が気にすることなんてないよ」
萊気「けど……すまない……聞くべきではなかったな」
伊万里はそんな萊気の様子を見て頭を優しく撫でて
伊万里「最初知らなかったんだから仕方がないよそれよりさ…まだ聞きたいんなら中に入って話そうよ」
伊万里 部屋の中へと入れば伊万里はお茶を持ってきて
「こんなものしかなくてごめんね?」
萊気「いや…大丈夫だ」
伊万里「なら良いけど」
伊万里は俺と向かい合わせになるように座れば机の上に肘を立てて手に顎を乗せ
「それで萊気は他に何が知りたいのかな?」
萊気「じゃあ…伊万里の能力…協力するにも知っていた方が何かと連携も取りやすいだろうしそれにあの時俺たちを助けてれたの伊万里なんだろ?あの攻撃を施設の人達にしかけたのも」
伊万里 お茶を一口に口に含めば
「うん…そう俺だよそうだね知っていた方が良さそうそれは俺も…萊気の能力を知っていた方が良いって事にもなるよね?」
くすくすと笑えば萊気はハッとした表情になり
萊気「そうだな…ならまず俺から教えるけど俺の能力は複雑で幻覚…実現あとそんなに大したことはないんだが動物変身能力も……」
それを聞き伊万里は関心し
伊万里「凄いね…!でも俺から見た感じあの時使っていた能力はその3つに当てはまらないよね?」
萊気はこくりと頷き
萊気「そう…だから”実現“させたんだ…俺の能力は特殊でその実現能力はその名の通り俺が望めばなんだってどんな能力だって実現させることが出来る」
伊万里 伊万里はその最強とでも言える能力を前に驚きを隠せずにいて
(だから奴らにとって萊気は特別な存在だった…か………)
萊気「でもそれには条件と言うか制限があって10個の能力までしか実現は出来ない…その10個中の5個はその実現能力取得時に指定してから変更することは出来なくて5個は1日毎に変えれる」
伊万里「ならその前から指定している能力って言うのは?」
首を傾げて萊気に尋ねると
萊気「分解、修復、蘇生、守護、身体能力向上の5つだ」
伊万里「なるほど……」
机の上から肘を退け腕を組めば
(抜かりなしって感じだな)
萊気「これで俺の能力は一応ざっくりではあるが一通りは教えた…!伊万里は?どんな能力が使えるんだ?あの時見たのは風能力…?」
よほど気になるのかまるで質問攻めかのように疑問形の文を並べては聞き
伊万里「俺の能力は相手の無力化、液体操作だよ」
萊気 予想とははずれ頭の中にクエスチョンマークを浮かべては
「無力化と液体操作??」
伊万里「うん…ほら…!この世界には能力レベルってのがあるじゃない?俺はその相手の能力レベルの半分をごっそり奪って自分にプラスできるわけそれが無力化の能力液体操作はそのままの意味であらゆる液体を自由自在に操れる」
見本を見せようと今ここにあるお茶を浮かせ右手の人差し指を立てればそこの周りをくるくると回るように操作し
「ね?」
萊気「な…なるほどな…ならあの風の攻撃は一体……」
伊万里「あぁ…あれは…」
お茶を元のカップに戻せば
「”魔法“」
萊気「魔法?」
聞き慣れない言葉に眉を顰めて
「能力とは違うのか?」
伊万里「そうだね〜根本的には一緒だけど違う……言わば能力無効化を使う能力者がいるならばそれに唯一効かない特殊能力?」
萊気「特殊能力……やっぱり能力じゃないか」
伊万里 萊気の言葉に「あはは」と苦笑し
「ん〜俺も詳しくは教えれないけどどこが違うんだよ単純に言い方だけだとは思えれないそんな……何か」
萊気「ん〜難しいんだな…」
カップを手に持ちごくごくと一気にお茶を飲むと
「じゃあ最後の質問…良いか?」
伊万里「お…!良いよ」
伊万里もお茶を全て飲みほし
萊気「伊万里は吸血鬼を人間に戻すために行動を共にする仲間をいわば探してたんだよな?」
伊万里「そうだね…」
萊気「それだけか?」
伊万里「と言うと?」
萊気の質問の意図が分からずにいると
萊気「俺は伊万里の”本当の目的“が知りたいあれじゃあ言い方は悪くなるがただ俺を協力させるための口実に過ぎないように見えて」
なるほどと伊万里は理解したのか
伊万里「!!…………そうか…そうか…そうだね…本当の目的か……別に俺は嘘は言ってないし萊気を誘う口実の為だけに言ったわけじゃない事実…俺は吸血鬼を人間に戻すのが目的……父さんと母さんの過ちを正すための…兄貴を人間に戻すための……」
しーんと静まり返っている部屋の中でただ伊万里のその悲しみの声だけが響き
「元々吸血鬼は人間だったんだから…彼らにはなんの罪もないんだから…ただ苦しませているだけなんだから…だから……戻してあげなきゃダメなんだ…」
ギュッとお茶が入っていたカップを握りしめる
「何か俺変な人だよね?明るくなったり暗くなったり…」
萊気 突然そんなことを言い出した伊万里に「そんな事ない…!」と萊気が言う前に
伊万里「俺さ…変なんだよ……こんな現実をたたきつけられて混乱しちゃっているのかな?(苦笑し)毎日夜空を見上げるとあぁ…今起こっていること全て悪い夢ではないかなって……思うこともあるんだ」
ただ萊気は伊万里の話を口を挟めずにいて黙々と聞いていて
「でもそんなことしてられないさっき言ったように俺が父さんと母さんの過ちを正してやらなきゃならないから……ねぇ…萊気……」
萊気の両手を自分の両手で包むように触れ
「改めて言わせて俺の”最初“で”最後“のわがままを聞いてくれてありがとう……俺こう見えても政府関係者だからってわがままばかり言ってると思われるかもしれないけど1回も親に言ったことないんだから…!!」
そうして伊万里はニカッと笑った
萊気 先程まで何言えずにいたがようやく口を開き「お礼なんて言わないでくれ…お礼を言うのは達成してからだろ?」
伊万里「!…ふふ…そうだったね」
伊万里は萊気の手から自分の手を離すと椅子から立ち上がりカップを手に持っては萊気に背を向けて
「そうそう」
萊気 萊気は首を傾げて
「?…どうした?」
伊万里 萊気の方に顔だけそちらに向け
「俺の目的政府をぶっ潰すことも入れてるから…!!」
萊気「……………へ?」
思いがけない言葉に調子を狂わせ変な声が出てしまい
伊万里「俺も悪いことに加担していたとはいえ父さんと母さんを殺されたんだだからこそ萊気に言ったように恨んでるわけだし…ぶっ潰さないなんてことないでしょ!!」
それだけ言えばカップをキッチンに戻すため部屋から出ていく
萊気「あ…!」
そんな伊万里の後を追うように部屋から勢いよく出て
「伊万里…!!」
伊万里「!…ん?…どした?まだ聞きたいことでもあったの?」
もう一度萊気に顔を向ければ
萊気「あの時…秋侑と乙春を助けられなかったからってその怒りの気持ちを伊万里にぶつけてごめん………」
萊気はずっと気にしていたのだろう先程までの話を聞いていて尚更
伊万里 伊万里は優しく微笑み
「俺も…あの時はキツく言ってごめんね?萊気は優しいね」
そう言い再びカップを戻しにキッチンへと足を進める
萊気「……………」
(優しいのは…優しかったのは……伊万里もじゃないか………)
萊気「伊万里さん……」
ベランダで夜空を見上げている伊万里に後ろから話しかける
伊万里「ん?」
伊万里は萊気の方へと振り返り
「どうしたの?ひょっとして眠れない?」
優しい笑みを浮かべて萊気にそう問いかけ
萊気「いや…その…伊万里さんのこともっと知っておこうと思って」
伊万里「!!」
まさか自分のことを知りたいと言ってくれるとは思っていなかったため一瞬驚いた表情を見せれば
「良いよ…何が知りたい?」
萊気「なら…あの時伊万里さんは…」
そこまで言うと伊万里は萊気の元へと近づき萊気の唇に自分の人差し指を当て
伊万里「伊万里”さん“じゃなく伊万里…!」
萊気「あ!…えっとじゃあ伊万里はあの時何て言おうとしてたんだ?」
伊万里 伊万里は萊気の唇から指を離し萊気のその言葉に首を傾げて
「あの時??」
萊気「あぁ…伊万里が親に恨みの感情を向けた理由…言おうとしてた時にでてきたお兄さん…言わずじまいに口閉じちゃっただろ?」
伊万里「あ〜あれね……」
きまり悪そうに頬を掻き萊気から顔を逸らせば
「実は…俺の兄貴さ…吸血鬼なんだよね」
萊気「え?」
その真実に萊気は驚いた顔を伊万里に見せれば伊万里は苦笑し
伊万里「兄貴も災難だよねこんなの父さんと母さんに人間としての自分を殺されたようなものだよ……」
悲しく辛そうな表情で話す
萊気は伊万里にこんな表情をさせるくらいなら聞かなければ良かったかなと少し罪悪感で胸がいっぱいになるがそれを察したのか伊万里はニコッと笑い
「萊気が気にすることなんてないよ」
萊気「けど……すまない……聞くべきではなかったな」
伊万里はそんな萊気の様子を見て頭を優しく撫でて
伊万里「最初知らなかったんだから仕方がないよそれよりさ…まだ聞きたいんなら中に入って話そうよ」
伊万里 部屋の中へと入れば伊万里はお茶を持ってきて
「こんなものしかなくてごめんね?」
萊気「いや…大丈夫だ」
伊万里「なら良いけど」
伊万里は俺と向かい合わせになるように座れば机の上に肘を立てて手に顎を乗せ
「それで萊気は他に何が知りたいのかな?」
萊気「じゃあ…伊万里の能力…協力するにも知っていた方が何かと連携も取りやすいだろうしそれにあの時俺たちを助けてれたの伊万里なんだろ?あの攻撃を施設の人達にしかけたのも」
伊万里 お茶を一口に口に含めば
「うん…そう俺だよそうだね知っていた方が良さそうそれは俺も…萊気の能力を知っていた方が良いって事にもなるよね?」
くすくすと笑えば萊気はハッとした表情になり
萊気「そうだな…ならまず俺から教えるけど俺の能力は複雑で幻覚…実現あとそんなに大したことはないんだが動物変身能力も……」
それを聞き伊万里は関心し
伊万里「凄いね…!でも俺から見た感じあの時使っていた能力はその3つに当てはまらないよね?」
萊気はこくりと頷き
萊気「そう…だから”実現“させたんだ…俺の能力は特殊でその実現能力はその名の通り俺が望めばなんだってどんな能力だって実現させることが出来る」
伊万里 伊万里はその最強とでも言える能力を前に驚きを隠せずにいて
(だから奴らにとって萊気は特別な存在だった…か………)
萊気「でもそれには条件と言うか制限があって10個の能力までしか実現は出来ない…その10個中の5個はその実現能力取得時に指定してから変更することは出来なくて5個は1日毎に変えれる」
伊万里「ならその前から指定している能力って言うのは?」
首を傾げて萊気に尋ねると
萊気「分解、修復、蘇生、守護、身体能力向上の5つだ」
伊万里「なるほど……」
机の上から肘を退け腕を組めば
(抜かりなしって感じだな)
萊気「これで俺の能力は一応ざっくりではあるが一通りは教えた…!伊万里は?どんな能力が使えるんだ?あの時見たのは風能力…?」
よほど気になるのかまるで質問攻めかのように疑問形の文を並べては聞き
伊万里「俺の能力は相手の無力化、液体操作だよ」
萊気 予想とははずれ頭の中にクエスチョンマークを浮かべては
「無力化と液体操作??」
伊万里「うん…ほら…!この世界には能力レベルってのがあるじゃない?俺はその相手の能力レベルの半分をごっそり奪って自分にプラスできるわけそれが無力化の能力液体操作はそのままの意味であらゆる液体を自由自在に操れる」
見本を見せようと今ここにあるお茶を浮かせ右手の人差し指を立てればそこの周りをくるくると回るように操作し
「ね?」
萊気「な…なるほどな…ならあの風の攻撃は一体……」
伊万里「あぁ…あれは…」
お茶を元のカップに戻せば
「”魔法“」
萊気「魔法?」
聞き慣れない言葉に眉を顰めて
「能力とは違うのか?」
伊万里「そうだね〜根本的には一緒だけど違う……言わば能力無効化を使う能力者がいるならばそれに唯一効かない特殊能力?」
萊気「特殊能力……やっぱり能力じゃないか」
伊万里 萊気の言葉に「あはは」と苦笑し
「ん〜俺も詳しくは教えれないけどどこが違うんだよ単純に言い方だけだとは思えれないそんな……何か」
萊気「ん〜難しいんだな…」
カップを手に持ちごくごくと一気にお茶を飲むと
「じゃあ最後の質問…良いか?」
伊万里「お…!良いよ」
伊万里もお茶を全て飲みほし
萊気「伊万里は吸血鬼を人間に戻すために行動を共にする仲間をいわば探してたんだよな?」
伊万里「そうだね…」
萊気「それだけか?」
伊万里「と言うと?」
萊気の質問の意図が分からずにいると
萊気「俺は伊万里の”本当の目的“が知りたいあれじゃあ言い方は悪くなるがただ俺を協力させるための口実に過ぎないように見えて」
なるほどと伊万里は理解したのか
伊万里「!!…………そうか…そうか…そうだね…本当の目的か……別に俺は嘘は言ってないし萊気を誘う口実の為だけに言ったわけじゃない事実…俺は吸血鬼を人間に戻すのが目的……父さんと母さんの過ちを正すための…兄貴を人間に戻すための……」
しーんと静まり返っている部屋の中でただ伊万里のその悲しみの声だけが響き
「元々吸血鬼は人間だったんだから…彼らにはなんの罪もないんだから…ただ苦しませているだけなんだから…だから……戻してあげなきゃダメなんだ…」
ギュッとお茶が入っていたカップを握りしめる
「何か俺変な人だよね?明るくなったり暗くなったり…」
萊気 突然そんなことを言い出した伊万里に「そんな事ない…!」と萊気が言う前に
伊万里「俺さ…変なんだよ……こんな現実をたたきつけられて混乱しちゃっているのかな?(苦笑し)毎日夜空を見上げるとあぁ…今起こっていること全て悪い夢ではないかなって……思うこともあるんだ」
ただ萊気は伊万里の話を口を挟めずにいて黙々と聞いていて
「でもそんなことしてられないさっき言ったように俺が父さんと母さんの過ちを正してやらなきゃならないから……ねぇ…萊気……」
萊気の両手を自分の両手で包むように触れ
「改めて言わせて俺の”最初“で”最後“のわがままを聞いてくれてありがとう……俺こう見えても政府関係者だからってわがままばかり言ってると思われるかもしれないけど1回も親に言ったことないんだから…!!」
そうして伊万里はニカッと笑った
萊気 先程まで何言えずにいたがようやく口を開き「お礼なんて言わないでくれ…お礼を言うのは達成してからだろ?」
伊万里「!…ふふ…そうだったね」
伊万里は萊気の手から自分の手を離すと椅子から立ち上がりカップを手に持っては萊気に背を向けて
「そうそう」
萊気 萊気は首を傾げて
「?…どうした?」
伊万里 萊気の方に顔だけそちらに向け
「俺の目的政府をぶっ潰すことも入れてるから…!!」
萊気「……………へ?」
思いがけない言葉に調子を狂わせ変な声が出てしまい
伊万里「俺も悪いことに加担していたとはいえ父さんと母さんを殺されたんだだからこそ萊気に言ったように恨んでるわけだし…ぶっ潰さないなんてことないでしょ!!」
それだけ言えばカップをキッチンに戻すため部屋から出ていく
萊気「あ…!」
そんな伊万里の後を追うように部屋から勢いよく出て
「伊万里…!!」
伊万里「!…ん?…どした?まだ聞きたいことでもあったの?」
もう一度萊気に顔を向ければ
萊気「あの時…秋侑と乙春を助けられなかったからってその怒りの気持ちを伊万里にぶつけてごめん………」
萊気はずっと気にしていたのだろう先程までの話を聞いていて尚更
伊万里 伊万里は優しく微笑み
「俺も…あの時はキツく言ってごめんね?萊気は優しいね」
そう言い再びカップを戻しにキッチンへと足を進める
萊気「……………」
(優しいのは…優しかったのは……伊万里もじゃないか………)