猫系彼氏




私たちがセフレだった頃。



好きなのは私だけで
追いかけているのも
こんなに複雑な感情なのも私だけだと思っていた。



葵が昨日ホテルに着いた時に言った。


『二人で同じ車で来れて良かったな。あの時は今もそうだけど独立のことで頭がいっぱいで菜月は23だったし、若いから惑わすようなこと言いたくなかったから何も言わなかったけど。俺顔にも出さなかったけど、あの時けっこう悩んでたんだからな』



「知らなかったよ。全然顔にも出さないし、言わないからわからなかった。そうだったんだね」




あの頃はセフレなんだと思っていて、
付き合えるなんて思わなかったもん。




あの時があったから今がある。


『俺菜月にいくら使ったんだろうな
ホテル代馬鹿になんないけど、あの時間があったから今に繋がってると思うし、相性だけじゃここまで続かないから居心地が本当にいいんだと思う』




葵の言葉はひとつひとつ聞き逃したくないと思うほど聞きたい。