「えっ……？これって……」

すぐに透は玲奈に電話をし、「今すぐ来てくれ！！」と言う。玲奈は何かを言っていたが、透のある一言で「すぐに行く」と言われて電話は切れた。

「ふう……」

透は眠る洋一を見つめる。長い間眠れていなかったせいか、ずいぶん深い眠りについているようだ。

洋一の足の傷は、透が以前ダニに噛まれた時にできた傷にそっくりだった。もしかすると、この病気はダニのせいかもしれない。透はそう玲奈に言ったのだ。

「お待たせ！！」

数分後、美咲が部屋に入ってくる。玲奈も洋一の足を観察し始めた。



洋一の妹が亡くなって、二カ月ほどが経った。結局警察は洋一の妹の死因すら見つけられなかったが、透はホッとしたことがある。

「浜田、宍戸さん、飯野さん、本当にありがとう！！これ、よかったら」

病院から退院した洋一が笑顔でおいしいケーキの入った箱を渡す。その笑顔を見て、透はホッとした。