「何でって、差し出し人の名前が書かれていなか
　ったら、誰だってイタズラだと思うだろ。とい
　うか、イタズラなんだろう？」

ストレートに思った事を口にした。

「え！？ちゃんと書きましたよ！！
　百瀬あかり(ももせ あかり)って！！
　封筒の端っこに！！」

「え…？」
いざという時の証拠に使おうと残しておいた手紙をもう一度取り出して確認する。



………そこには、とても小さな文字で封筒のかなり端っこに名前が書かれていた。

(女子はどうしてこんなに小さな文字で、手紙の端っこすぎる端に書くんだ？)


若干の不満を感じつつ、書かれていたことは事実なので素直に謝る。

「ごめん」

「ふふっ、いいですよ」
不機嫌そうにしてた顔とは打って変わって、少し笑いながら彼女は言った。

表情がよく変わる子だな。
まるで、ワンコみたいだ。


また、僕の飼っているペットが思い浮かんだ。