「先生……入りますね」

誰もいない放課後。しんみりとした職員室。

そこに私は、足を踏み入れた。

「高田。来るなと言っただろ」

「ごめんなさい。でも先生に会いたくて」

「はあ……」

わざとらしく溜め息をつく新原慎(にいはらまこと)先生。私はこの先生が大好きだ。

「あのな高田。よく聞けよ? 俺には嫁も子供もいる。高田はそれでいいのか?」

いいのかって。

そんなのイケナイに決まってる。

でも……好きだから。