「おい。早く来いって言ってるだろ。陸、あいつ回収してこい。」


「回収って、私はゴミかなんかか!?
扱いがだんだんと酷くなってるんだけど!」
 

「おーっす。はいはい。部屋に入って。」


「無視か!もういいけど…」


もうここまで来たら覚悟を決めるしかないか…
すっごく嫌だけど…


「分かりましたから、背中を押さないで下さい!」


「はいはい、さっさと入ってねー。」


ーバタンー



この扉が閉まったとき、私の平穏無事な高校生活は終わりを迎えた気がした。



この部屋は、扉の前の方にテーブルがあって、それを囲むようにソファが設置されてる。
そして、テーブルの向こうには、やたらと大きいステンドグラスの窓がある。


この部屋、本当にきれい。でも、学校のパンフレットにはこの部屋のこと書いてなかったような…


まぁ、気にしなーい!気にしなーい!


「それで、なぜ私はここに連れて来られたんですか?不平不満しか出てきませんが、」


「俺等がお前を気に入ったからってのと、お前に俺が黒龍の総長ってバレたと思ったから。それだけ。」


は?それだけの理由で私はここまで連行されてきたわけ?もう、怒った!!!!!!


「ふざけないで!
さっきも言ったけども、私はあなた達に好かれたいわけでも仲良くなりたいわけでもないの!
別に、あんたが黒龍の総長なんてどうでもいいの!
なのに、無理やりこの部屋まで、翔に首根っこつままれて来て、ここまでするにはそれ相応の理由があるのかなって思ったら、顔がバレたから連れてきたって…
私に一緒に来てくれるか承諾を取りなさいよ!
私は了承した覚えはいけど!
そこについてはどう思ってるの!!!」