いつからこうなってしまったんだろう。
 どうして私はこんなにも孤独なの??
 どうしてーー??どうして----
      ・
      ・
      ・
「ねぇ、ことちゃん!おえかきしよう!!」
 たたーっと私の子供、森内 琴子のもとに駆け寄ってくるのは、みーちゃんこと、柏木 雅。
 もう幼稚園年長組で卒園なのに二人とも同じ学校へ入学するからちっとも寂しくなさそう。
「うん、しようしよう!なにかこうか!?」
「みやび、ウサギさんかきたいな♪ウサギさん、だーいすき!!」
「こともだーいすき!!」
 えへへ、と笑い会う二人。見ていてほほえましいな。
 早速紙に向かい、鉛筆を動かす。
 あれ、まだ20秒くらいしか経ってないのにおかしいな、琴子が眠たそう。雅ちゃんは集中してるのに。
「みてーことちゃん!!完成したよ!!ことちゃんは完成した!?」
「……!へ??なにが??」
 あー、やっぱり琴子寝てたかぁ。集中力、鍛えないとダメだな。
「あ、ごめん、退屈だった?じゃあ、次はおにごっこしようか?」
「やったー!!こと、おにごっこしたい!!」
 幼稚園児なのに雅ちゃんのこの気遣い!!琴子も自分勝手じゃダメじゃないのよ、もう。
 二人は外へ風邪のように出ていく。元気でなにより。
「きゃ!!」
 ズシャ!琴子は盛大に転んでしまった。
「あ、ことちゃん!だいじょうぶ!?」
 あらまぁ、また転んだの。昨日も転んでなかったっけ??もう転んだところのかさぶたがまた剥がれて膝と肘がもうすごいことになってるよ…。早く消毒液持ってきてあげよう。
「あ~ん、痛いよぅ~」
「ことちゃん、いたいのいたいのとんでけー!!
 …どう?いたいの、なくなった??」
「グスッ…うんっ…!ありがっ…とうっ…」
「よかった!!これ、お母さんにおしえてもらった
 おまじないなんだぁ」
 ほんとに、雅ちゃんはすごいなぁ。ほんとに琴子と同い年かしら??何で琴子はこんなんなんだろう…。
「ほら、琴子。一応消毒するから痛いのガマンよ。
 えらいえらい、泣かない琴子偉いよ~」
         ・
         ・
         ・
 私たちは無事入学して小学一年生になった。
「ことちゃ~ん。クラスにことちゃんいないの寂しいよぅ」
 そういって雅はいつも私のところへ来てくれる。
「でも、まだ隣のクラスで良かったよ。ことも、みーちゃんがいないの寂しいよぅ」
 私は1組、雅は2組だ。同じクラスが良かったなぁ。
 キーンコーンカーンコーン
「あ、鳴っちゃった。また次の休み時間ね!!
 バイバイ、ことちゃん!」
「うん、またあとで!!」
 雅と別れて教室に入る。
 あ、今日は初めての国語だ。何を習うのかな。すごく楽しみ。