やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~

壁に寄りかかり長い足を組み立っている高辻。
狭い廊下でその前を通らないとならない。
莉緒はうつむいたまま高辻の前を通ろうとした。

「莉緒」
思わず足を止めた莉緒。
高辻がすっと壁から離れて莉緒の前に立つ。
「どいてください」
そういうのが莉緒の精一杯だった。
「いやだって言ったら?」
高辻の言葉に莉緒は顔をあげた。
「そんなこと言う権利ないはずです。」
莉緒の言葉に高辻が明らかに傷ついた表情になる。

自分の口から出た言葉なのに、莉緒は罪悪感につぶされそうだった。
悪いのは高辻だけじゃない。気づけなかった自分のせいでもある。
自分の舞い上がる気持ちに支配されて、冷静に周りを見られていなかった。
見えなくなっていた。