和哉の顔を見ると、顔にしわを寄せて笑っている。
「って言ってもお前は休めるタイプじゃないな。責任感の塊みたいだもんな。」
「・・・」
笑顔のまま、莉緒の髪をくしゃくしゃに撫でたまま和哉が続ける。

「そんな市橋も俺は嫌いじゃないし、むしろそんなお前を支えたいと思うよ。俺にできるなら。それで、いつかその責任感とかプライドとか、俺の前だけでもふっと脱がせられたら最高だな。」
「・・・部長」
「ん?」
「変態ですね」
「ははっ」
和哉の笑顔につられて莉緒もいつのまにか笑顔になっていた。

「そうかもな。お前の前では。」
「・・・」
莉緒の胸がギュッと和哉につかまれる。

真剣な顔でペンキを塗っていた表情からは想像もつかないような笑顔に、莉緒はくぎ付けになった。