莉緒はこの時間が大好きだった。

「見ていいのか?」
「ちょっとなら」
そう言って莉緒が手帳を和哉に渡す。

和哉は手帳を受け取るとそのページをめくり始めた。

そこには莉緒の思いがたくさんつまっている。
今まで行ったことのある店舗のいいところ。魅力。
まだ行ったことのない店舗の雑誌の切り抜き。

気に入ったデザインや装飾品、花の種類・・・

いろいろな情報がギュッと詰まっている。

和哉が微笑みながら自分の手帳を見ていることに、莉緒はまるで自分をさらけ出しているようで恥ずかしくなり、和哉の肩に頭をつけながら反応を見ないようにした。