「お前の手帳、すごいな四次元だな。」
莉緒は和哉と二人で結婚式の準備をしていた。
ネットで検索をしながら実際にその商品を取り扱っている店舗を探して見に行く。
いろいろと引き出物やドレスにタキシード、使う曲、装飾品などなど、たくさん時間をかけることを決めていたふたりだが決めなくてはならないことが多い。莉緒は一つ一つを自分の手帳に書きこんでいた。
悔しいことに和哉はほとんど記憶に残せていてメモする必要がない。

分厚い莉緒の手帳に和哉は興味深々だった。

「これは私の企業秘密です。」
そう言って笑いながらわざと和哉から手帳を隠すようにする莉緒。

和哉は「いじわるだなー」とそんな莉緒に頬を膨らませる。
「嘘。」
そう言って莉緒が手帳をもとの位置に戻す。

最近二人は仕事を終えて帰宅すると一緒に食事を作り、食事を済ませると一緒にお風呂に入る。
そして、一日の終わりは二人で寄り添いながらソファに座り結婚式の準備の話や、一日の出来事の話をしている。