やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~

「市橋?」
目の前にいる莉緒は時々、目の前にいるのに遠くにいるような寂しそうな目をする。
和哉ははじめて会ったその日だけでも、何度もそう感じていた。
今もそうだ。
「はい?」
「どうした?」
思わず声をかけた和哉に莉緒が首をかしげる。


まるでどうもしないと強がるような莉緒の表情に、和哉はきになって仕方なかった。

その時「市橋さん、3番に電話っす」不意に古屋が後ろから莉緒の名前を呼び、莉緒は小さく頭を下げて和哉のもとから離れた。

「え?」
フロアに莉緒の声が響く。

和哉は手を止めて莉緒の方を見た。内線を受けた莉緒の表情が険しくなる。