朝、早く目覚めると必ずすることが莉緒にはあった。

「いらっしゃいませ」
それは近所のおしゃれなカフェでモーニングの時間帯に食べることができるメニューを堪能することだ。

マーケティング部にいるだけあって新しい店の情報も、ある程度の口コミも頭に入っている。

こうして朝の時間を満喫することで充実しているように思える莉緒。

モーニングの朝食とコーヒーのセットを注文して、莉緒はカバンから分厚いノートを出した。
携帯で写真を撮り、ノートの新しいページにいろいろと書き込み始める。

新しくオープンする店舗や改装する店舗、売り上げの上がらない店舗のコンサルティングをする会社に勤めている莉緒。莉緒の所属するマーケティング部はそのための新しい情報や、すでにある店舗を回り最新の情報やデザインを集め評価することだった。
一日外回りで、いろいろな店舗の情報を集めるという体力も必要な部署だった。