「それまでがんばろうな」
「はい」
二人はつかの間の休息を楽しんで、週末のデパートのイベントに臨んだ。

莉緒はデパートの入り口でチラシとクーポンコードを配布し、和哉は店舗内で来店する客の流れを見て接客のサポートをしていた。

近年ではまれにみる大盛況に、スタッフもうれしい悲鳴でイベントが終了した。


そして、イベント終了後には盛大な打ち上げが行われることになっていた。

「お前、絶対に飲みすぎんなよ」
打ち上げ会場に向かうタクシーの中。
和哉と莉緒は二人でタクシーに乗ることになった。
後部座席に並んで座りながら、和哉は莉緒を見た。
「はい」
酔って盛大に和哉に迷惑をかけたことのある莉緒は気まずそうにうつむきながら返事をした。