「本当は俺もそうしたい。でもできないことを当たり前にやってくお前に俺はうらやましさも感じてんだ。」
「・・・」
更に照れる莉緒。
「でも、その分こいつは今までどれだけ苦しさも悔しさも感じて来たんだろうって思うと、すぐに抱きしめたくなったよ。そんなちっさい体でさ。」
赤信号で車が停まる。
和哉は助手席の莉緒を見た。
「今はそれができる。」
そう言って触れるか触れないか程度の口づけを和哉はした。

口づけのあと、二人は見つめ合う。

こうしてお互いを知っていくたびに近くなる距離がうれしかった。