週末には盛大な〇〇デパートのリニューアルイベントが行われる予定で、和哉はかなりばたばたとしている。デパートにいながらその準備をしたり最終確認をしていて社にもほとんどいなかった。

莉緒もマーケティング部から数名選ばれたイベントのフォロー社員に選ばれている。

病み上がりの古屋は今回は参加はできないことに決まっている。

莉緒は自分の抱えている仕事がひと段落着くと、イベントの準備会場へ足を運んだ。

「お疲れ様です」
大きな目隠しで覆われている場所に、和哉が中心になり呼び込んだ有名ブランド店の店舗が入っていた。ほとんど準備が終わってはいても細かな趣味レーションやセッティングは済んでいない。
莉緒はさっそく現場で、片付けや準備に参加をした。

デスクワークとは違って重いものを運んだり、いろいろとセッティングに足りないものを調達したりと体力を必要とする仕事の内容だ。
こういう日は髪を一つに束ねて、ローヒールのパンツスーツ姿で莉緒は現場に入る。

ふと視線を動かすと、店舗の奥にはデパートの取締役とブランド店の店長と一緒に打ち合わせをする和哉がいた。