和哉は自分の腕の中で突然がくっと膝が折れて床に座り込んだ莉緒を心配した。

でも、きっと頑張りぬいて力が抜けたのだとわかった時、余計に愛おしさがこみ上げた。

どうして急いで帰ってきたかと聞く莉緒に、お前に会いたかったからに決まってんだろ。
俺の気持ちはもう伝わってんだろと思いながらも、疲れ切って力が抜けた状態で和哉の気持ちを確認する莉緒に、見えない不安がまだ莉緒を包んでいることを悟った。

だから精いっぱいの気持ちを込めて自分の想いを伝えた和哉。
言葉にはしなくても、心の中で莉緒に向かい想いがたくさんあふれる。

もう怖がるな。
同じ思いは絶対にさせない。

愛してる。

俺を信じろ。
俺を選べ。

俺ともう一度恋しよう。

後悔はさせない。
幸せにする。

だから、俺と一緒にいよう。

何度も同じ言葉を繰り返す。

願うように・・・
この気持ちが莉緒に届くようにと祈るように・・・