「よく頑張ったな」
莉緒は急いで椅子から立ち上がる。

「ほら」
そんな莉緒に和哉は両手を広げた。

少しためらってから、莉緒はその腕の中に飛び込んだ。

「ばかっ勢いつけんな」
そういう和哉の声が笑っている。

和哉は胸の中に納まる莉緒の体をぎゅっと抱きしめた。

「あー長かったー」
和哉の言葉に、莉緒も同じように感じていた。

二人はギュッと体を抱き寄せ合いしばらく会えなかった時間を埋めるようなひとときを過ごした。