少し・・少し・・・

そう思いながら莉緒は机に突っ伏して思わず目を閉じてしまった・・・。







「帰るぞ」
懐かしささえ感じるその声。
夢の中の世界なのか現実なのかわからなくなるくらい、莉緒はその声をずっと求めていたような気がした。

「ほら。市川」
名前を呼ばれて・・・莉緒は慌てて体を起こした。

目の前には、ずっとずっと求めていた人の姿・・・スーツ姿の和哉がそこに立っていた。