「はぁ~あ~」
ベッドの上、大きくため息をつきながら体を起こしたのは市橋莉緒。28歳。
店舗コンサルティング会社のマーケティング部主任になったばかり。

長い髪にはゆるくパーマをかけていて、くらい気分をせめて明るくしようと染めた髪に朝陽があたり、目を細めた。髪をくしゃくしゃにして全身に力を入れて伸びをする。

嫌な夢見た・・・。

莉緒は枕元の携帯電話を充電器から外して画面を見る。
「最悪!」
まだ、目覚ましが鳴るまで30分以上はあった。

何度も見ている夢。これは現実とは少し違う。
でも・・・相手が既婚者であったことを知らずに関係を深めていたことは事実だった。