「凛愛?」


昨日の事で気を落としてるとしたら、俺にも責任がある。



「…――怜哉」


「この子!前廊下で怜哉にぶつかった子でしょ?」



隣でわめいている悠陽を無視して、凛愛に問いかける。



「凛愛、なんかあった?」


一瞬、凛愛は顔を曇らせたがすぐに首を横に振って俺らの横を足早に通りすぎていった。



明らかに何かあった顔をしている凛愛を、見つめることしかできない自分に情けなくなった。