「一昨日ここに引っ越してきたんです。よろしくお願いします。」 差し出された箱はどうやらお菓子の詰め合わせ。 それを受け取ったらじゃあ、と言って踵を返そうとした凛愛を引き止めた。 「お前、何年?」 俺に敬語を使うくらいだからたぶん同級生だ。 「え、1年ですけど」 「なんだ同級生じゃん。敬語なんて使うなよ。それから────呼び捨てでいい」 敬語とか堅苦しいのは好きじゃない。 生まれてから自分よりはるかに年上の人に、恭しい態度を取られながら育ってきたから余計嫌悪感が強まる。