「また夏休み明けにね」 「ああ」 短いやり取りをして家の中に入る。 怜哉と出会って変わっていきそうな自分が怖い。 怜哉のあの漆黒の瞳。 初めて見たわけではない気がする。 あの瞳と目が合うと心臓がぎゅうっと掴まれたように苦しくなる。 彼の考えてる事はいつもわからない。 言葉数も少ないし、表情の変化も少ない。 ────もうそんな事を考えている時点で、だめなんだろう。 「はあ、なにしてんだろ私」 誰もいない部屋に自嘲的に零した言葉と大きくついたため息がとけていった。