君の笑顔が見たいから


「こんな時間に1人で出歩く気か?」


「だってまだ8時だし。大丈夫だよ」



別に夜1人で買い物に行くのは今回が初めてじゃない。


空は真っ黒に染まっているけれど、スーパーまでそんなに遠くはないし何も問題はないと思う。



「危ないに決まってるだろ。俺も一緒に行く」


また――怜哉のひとことに心臓が高鳴る。


「うん、じゃあお願いしようかな」



そして、2人並んでスーパーまでの道を歩く。




私よりはるかに身長の高い怜哉は長い足を私の歩幅に合わせて動かしてくれる。


そんなさりげない優しさに気づいて、きゅうっと胸が締め付けられる。