君の笑顔が見たいから


「怜哉はああ見えて結構不器用で人に甘えられないやつなんだ。だから君もなるべく傍にいてやってほしい」



そう早口で捲し立てた高梨くんは私が反応する前にそれじゃ、と言って走って帰ってしまった。




不器用、人に甘えられない



まるで自分のことを言われてるかのように感じて、私は戸惑った。


それになんで私が怜哉の傍に、なんだろう。



高梨くんがいればいいだけの話ではないか。



あんなに友達思いな人が傍にいて、怜哉は幸せだなと他人事のように思った。