放課後。


日直だった私は、書き終えた日誌を持って職員室に向かっていた。



「ねえ、君」


職員室の窓から廊下向きに置かれている棚に日誌をおいた直後、振り返るタイミングをはかったかのように声が聞こえた。


ここには私と声の主しか見当たらないから私に呼びかけたのだろう。




「はい…?」


振り返ると、いつも怜哉の隣にいる茶髪の男の子が腕を組んで窓にもたれながら、こちらに視線を送っていた。