それから岡田さんとは少し話すようになった。 少し…────だけ。 挨拶は返すようになったし、軽い世間話もするようになった。 彼女のことをもっと知りたいと思う。 でも臆病で卑怯な私は "過去" を言い訳にして、勇気を出せずにいる。 岡田さんとは "あのとき" のような事にはならないと思う。 ただ確信できないから勇気が出せないだけ。 「宮坂さん!」 岡田さんの事を考えながらボーッとしてたら、本人に名前を呼ばれた。