「そっか。わざわざ来てくれてありがとう。また明日ね」 「ああ、ちゃんと冷やせな」 意外と気にしてくれる優しい一面があるってわかってさっきからドキドキが止まらない。 怜哉が帰ってから、頬を冷やす氷を準備しながら頭も冷やそうとして、色々と考えを巡らす。 ――…人と関わらないって決めたんだから。 簡単に信じてしまえば、あとから負う傷がものすごく大きい。 私の暗い "過去" を話せるくらい親しい友達がいないのは、私がその "過去" を繰り返してしまうのが怖いから──────。