部屋に戻ったら、ベッドの下にちょこんと体育座りをしていた凛愛が出迎えてくれた。
まだ緊張の面持ちが少し残っている凛愛を見て、ふっと笑みを漏らす。
「おいで、凛愛」
両手を広げてそう言ったら、驚いたように目を見開いた凛愛。
当たり前の反応だ。
俺ってこんなことするキャラじゃないし。
でも遠慮がちに俺の胸に顔をうずめてきた、凛愛にだけはなんの躊躇いもなくできる。
それだけ俺が凛愛に惚れてるってことなんだろうな。
「凛愛、父さんと話せたよ。凛愛のおかげ。ありがとな」
顔を見られるのが恥ずかしかったから、凛愛の頭を抑えたままそう言う。
「そっか」
そう言って、微笑んだであろう凛愛の頭を撫でて、もう一度心の中で感謝の言葉を呟いた。
