君の笑顔が見たいから


「……ちょっと行くぞ」


「え、ちょ………」




急にそう言ったかと思ったら、私の手を引いて歩きだす怜哉。



連れてこられたのは……――――観覧車。




「2人お願いします」



「いってらっしゃいませ!」



「ちょ……っ、まって」




怜哉は私の腕を引っ張りながら、さっさと乗り込んでいく。



状況を読めない私の頭は、さっきの光景でいっぱいなのにさらに混乱する。



「っ……はあっ」




怜哉に引っ張られて歩いている間に、涙は止まったけど、結構なスピードで歩いてたから息が上がる。



観覧車の中は意外と狭くて、向かい合って座ったら膝と膝の間に少し距離が出来るくらい。