君の笑顔が見たいから


「……うぅ…うっ」



人目を気にすることも無く、俯きながら下を向いて歩く。



「ねぇ、君ひとり?もしかして、彼氏と喧嘩しちゃった?」



空気の読めない男に腕を引っ張られる。



……なんでこんな良くないことって続くんだろう。



「一緒に遊ぼうよ〜」


「……むりで、す、はなしてっ…」


「なんでも買ってあげるから〜」



語尾を伸ばしながら、しつこく引っ張ってくるその人。



いつもなら強く言い返すところだけど、泣きすぎて頭がぼーっとする。




「……や、めて」



連れていかれないようになんとかその場に踏みとどまる。