君の笑顔が見たいから


少し心配になって、自販機の方に向かう。



自販機のすぐそこで怜哉を見つけた。



「あ、れい……」



そこまで言いかけたところで、思わず横の木に体を隠す。



「いいじゃないですか〜。一緒に行きましょうよ」



こっち側に背を向けている怜哉の前に、女の子が2人立っていたから。



いわゆる、逆ナンってやつ。



────……わかってた。



怜哉がモテるってことは。



学校では常にお嬢様からの人気が絶えないし、今日ここに来るまでの道でも、ここに来てからも、女の子たちの視線は怜哉に向いていた。



「ごめん、無理。彼女待たせてるから」