部屋に置いてある大きめの鏡で、全身をチェックして少し早めに準備が終わったから、怜哉が来るまで待つ。



────ピンポーン



ななめがけのショルダーバッグを持って、玄関に向かう。



「おはよう」



「……おはよ」



戸の向こう側には、いつもとは違う怜哉が立っていた。



白の無地のTシャツにジージャンを羽織っていて、黒のスキニーパンツ。




シンプルな格好なのに、怜哉が着ると雑誌に載っている服に思える。




「じゃあ、行くよ」



そう言って怜哉は私の手を取って歩き出した。