『いっしょにあそぼう?お名前なんていうの?』



そう声をかけたら、その男の子は一瞬目を見張ってぶっきらぼうに。



だけど確かに言った。




『………真本怜哉』




怜哉だったんだ。



私たちはずっとずっと前に出会ってたんだね。




それから子供らしく、好きな食べ物とか将来の夢の話をした。




『れーくんは、なんでそんなにかなしそうなの?』



それでもそんな話をしながら、彼の漆黒の瞳の奥が悲しそうに光っているように見えた私は、そんな言葉を投げかけた。




『かなし、そう……?』



面食らったような顔でオウム返しをしてきた彼に笑ってほしいと思った。