それを久しぶりに思い出した瞬間、一気に頭の中に忘れていた記憶が走馬灯のように駆け巡る。







『りっちゃん、今日はパパの大事なパーティーだからいい子にするのよ?』



『わかった、ママ!』




小学1年生くらいの頃の記憶。



当時、私はお母さんに『りっちゃん』と呼ばれていた。



2年生になってすぐの頃に自分の名前の漢字に興味を持ち始めて、教えてもらってからは『りあ』と呼ぶようになっていたけど。




その時の私は人見知りもなく、元気すぎるくらい元気な子……―――だったと思う。




その日、いい子にしていなさいと言われたパーティーで落ち着きのない私は色んなところをウロウロしていたけど、隅っこの方に立っている男の子が無性に気になって、話しかけに行った。