それを久しぶりに思い出した瞬間、一気に頭の中に忘れていた記憶が走馬灯のように駆け巡る。
*
『りっちゃん、今日はパパの大事なパーティーだからいい子にするのよ?』
『わかった、ママ!』
小学1年生くらいの頃の記憶。
当時、私はお母さんに『りっちゃん』と呼ばれていた。
2年生になってすぐの頃に自分の名前の漢字に興味を持ち始めて、教えてもらってからは『りあ』と呼ぶようになっていたけど。
その時の私は人見知りもなく、元気すぎるくらい元気な子……―――だったと思う。
その日、いい子にしていなさいと言われたパーティーで落ち着きのない私は色んなところをウロウロしていたけど、隅っこの方に立っている男の子が無性に気になって、話しかけに行った。