「それでそんな毎日に疲れて、次第に笑うことも泣くこともなくなった。いちいち、自分の感情に振り回されるのがおかしくなったんだ」
誰も "怜哉自身" を見てくれなかったから……。
「でもあるパーティーでそんなロボットみたいになっていた俺を救ってくれた女の子がいたんだ」
それはきっと────"あの子" 。
「その子に救われて、ずっと探していたんだけど、本名を聞くこともなければ、歳も知らなかった」
だから最近まで見つからなかったんだね。
「でも最近やっと見つけたんだ」
そう言って、怜哉は優しく微笑んだ。
息を呑むような綺麗な笑顔に、胸がズキンと音を立てる。
