君の笑顔が見たいから


黙ったままの怜哉を見て、やっぱり迷惑だったかなという考えが頭をよぎる。



「っ……ごめん。好きな人がいるのは知ってるから。困らせちゃってごめんね。話はこれだけだから。わざわざお茶までありがとう。帰るね」




落ち着け、と自分に言い聞かせながら、立ち上がってドアの方に体を向ける。



そのまま足を進めようとしたら、後ろからグイッと腕を引かれて、思わず後ろに倒れそうになる。





「ごめん。まだ帰るな。俺からも話がある」



え────?



話、と言われてもいい事には結びつかない。



きっぱり振られる覚悟でもう一度怜哉の隣に腰かける。