「わ、たし……あの」 なかなか出てこない言葉たち。 なにかが喉の奥に突っかかったように、手前で言葉にならない。 「凛愛、ちょっときて」 ずっと俯いたまま、なかなか本題に入らない私を見かねてか、怜哉に腕を引っ張られた。 どこに行くの、とか聞くべきこともはあるのかもしれないけど、掴まれた部分が熱くなって、その熱は顔に集まってきた。 そのまま、赤くなってるだろう顔がバレないように下を向いて、怜哉について行ったら、着いたのは────……私たちのアパート。 なんだ、帰るだけ?