傍からみたら、弁当を早く食べたくて張り切っている食い意地張ってる女子にしか見えないだろう。
でも……これは柚希が私の話を聞いてくれようとしている。
不器用な優しさに気づいて、自然と頬が緩んだ。
「ん、それでなにがあった」
早速、ミニサイズのハンバーグをひと口で頬張り、本題に入った柚希。
「怜哉の、ね。前話した "あの子" がいるじゃん。それが見つかったらしくて……―――」
柚希と図書室で別れた後に、教室の前で聞いた話をひと通りした。
もともとそんなに長く聞いてないから、短く簡潔にまとめたけど。
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