君の笑顔が見たいから


午前の授業は右耳から入って、左耳から出ていく、という表現がしっくりくるほど、頭に入ってこなかった。




怜哉が苦しまないために、そばで支えて応援するって決めたのにな……。



しばらくは普通にいれそうにない。




はぁ、と短くため息を零す。




「りーあ、ため息ついたら幸せは逃げてくよ?」



そんな誰もが1度は聞いたことのあるセリフを言いながら、お弁当を持って振り向いた柚希。



「いいよ、別に私の幸せなんかは……」



「よっし!屋上行こう!」




柚希はいつも以上に声を上げ、私の腕を取って引っ張っていく。