君の笑顔が見たいから


「えっ、ああ……テストが近いから、勉強してて」



苦笑してそう返すけど、寝てない理由はそんなことじゃない。




高梨くんから怜哉の "あの子" の話を聞いた時から、色々考えちゃってあまり眠れなくなっていた。



「それ、ほんとか?」




納得いかないような、疑う目で私の方を見つめてくる怜哉。



「う、うん。ほんとだよ」




噛みそうになったけど、ポーカーフェイスを崩さないように、小さな声で返す。




「……ふーん」



腑に落ちない、というような顔をされたけど、それ以上詮索されることは無かった。