君の笑顔が見たいから


うわぁ、絶対重かったよね……。



場違いかもしれないけど、そんなことを考える。




「ごめん、重かったよね。しかも怜哉まで濡れちゃったよね」




いくら傘をさしていたといえ、私を運ぶとなったら話は別のはずだ。



「俺のことは気にするな。それより、お前たぶん熱がある。風邪を引いてるかもしれない」



確かに頭はぼーっとするし、喉も少しだけだけどいがいがする。



「昨日もあんまり寝てないし、そのせいかな」



何気なくそう言ったけど、怜哉にはそれが引っかかったみたいで。



「寝てない?なんで?」